理論のつまみ食いと交配

いろいろな理論を掛け算したり応用したりすることが好きなのだけれど、そういう姿勢をよく思われないこともたまにある。研究者でも専門家でもない素人の立場で分野横断的な工夫をしてみたいと言うと、つまみ食いとして害悪のように受け取られることがある。

確かにそうなのかもしれない。つまみ食いで申し訳ないなぁという気持ちはある。でも、つまみ食いして他の分野に落とされた種が、何かの形で育つかもしれない。そういう交配を期待してもいいんじゃないかなぁとは思う。リスペクトがあるからこそ、かけ算したいのだ。

パンをついばむ鳩

たとえば、私は犯罪史や犯罪者に関するノンフィクション書籍やドキュメンタリー映像が好きだ。それらを元にした映画作品などもよく見る。そういったものを見ていて、サービスやコミュニティなど、なんらかの生態系のデザインを考える時、犯罪学の分野にも参考になるものが溢れているんじゃないかな、と思ったりして、犯罪学の資料を読んだりする。

今まで知らなかった分野の資料を読むと、合理的選択理論とか、ルーティン・アクティビティ理論(日常活動理論)などを、犯罪とは別のポジティブなフィールドで活かして応用できそうなものが見つかる。人間の活動を見つめるにあたって、そうした部分に表裏一体の部分が重要だと感じる。

実際はすでに活用されていたりするのかもしれないけど、応用を自分なりに妄想したりするのが好きだし、得意だ。そのあたりは、MITメディアラボがやろうとしていることに近い思想なのかなと思う。

インター・ディシプリナリーな研究とは、さまざまな分野の人々が共同で研究を行うことを指します。しかし、アンチ・ディシプリナリーはそれとは大きく異なるものです。その目的は、既存のどの学問領域にも単純には当てはまらない場所で研究を行うこと――独自の言語や枠組み、手法を持つ独自の研究分野です

MITメディアラボ・伊藤穰一所長が語る「デザインと科学」|WIRED.jp

私は純粋培養ではなく道端の雑草育ちなので、わりと抵抗なくなんでもつまんで食べる。たぶんこれからもそうだ。それによって専門分野の方に不快感を与えることがあるとしても、交配の可能性がある限り、つまみ食いはやめられない。

そもそも私個人ごときがつまみ食いをしたところで、世の中にダイレクトな影響は生じないのだ。MITメディアラボがはじめるみたいに、もっともっと偉くてすごい人たちが交配してくれたらいい。つまみ食いではなくてきちんとしたレシピのかけ算が生まれるなら、もっと素敵。

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