ゼロの焦点
- 原題:ゼロの焦点
- 製作:2009年/日本
- 監督:犬童一心 Isshin Inudou
- 出演:広末涼子 Ryoko hirosue、中谷美紀 Miki Nakatani、木村多江 Tae Kimura、西島秀俊 Hidetoshi Nishijima、加賀丈史 Takeshi Kaga、杉本哲太 Tetta Sugimoto
- 場所:新宿バルト9
松本清張生誕100周年記念ということで、最高傑作との誉れ高い『ゼロの焦点』を映画化。しかも犬童監督という。どんな作品になっているのか楽しみで、初日に劇場に足を運んだ。
特に気になっていたのが、脚本のアレンジ。私は特別に原作厨というワケではないのだけれど、この作品の場合、原作の重みが重みだけにやはり気になるところだった。観終わってみて、原作にはない登場人物やエピソードが散りばめられていたものの、アウトラインは原作そのままに、映像作品としてより素晴らしい内容に仕上がっていたと思う。
ただひとつだけ理解できていないことがあって、原作では事件が起こったのは昭和33年だったと記憶しているのだけれど、映画では32年とされていたような? 字幕の見間違い? それとも原作の方の記憶違い? その点が引っかかっていて、自宅に帰って文庫本を確認してみたところ、解説に示されていた。
俳優陣の演技もよかった。物語後半にかけての中谷美紀には凄まじいものを感じる。生々しい迫力が舞台を観ているようだった。個人的にニヤリとしたのは杉本哲太。原作のイメージをそのままそっくり体現していて、原作好きには納得の演技なのではないかしら。
しかし、あの映像を撮るのは大変だったろうな。スタッフロールなんて席を立っちゃう人もたくさんいるけれど、エンドロール背景のあの絵を撮るのにどのぐらい粘ったのかしらと思うと頭が下がる。雪や曇りの撮影は根競べみたいなものだったろうなぁと想像して、監督の執念を勝手に感じてみたり。
突っ込むトコロももちろんあった。衣装が可愛くて楽しめたけど、禎子ちょっと着替えすぎじゃね? とか、本多の遺体の質感がゴムすぎだろ! とか。
しかし満足感は高かった。時代背景を理解した上で観るべき映画。というか原作。松本清張の良さは、その社会性にあると思う。社会性を多分に含んでいるからこそ、時代を超えても色褪せない存在感があるし、何度でも味わうことができる。DVDが出たらまた観たいな。
- 2009年11月15日 03:45
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