その本棚、蠍は留守です

最終更新日
20100610

愛しい文庫本の頁を誘われるがままに繰った記録。

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閉店時間

題名:閉店時間
著者:ジャック・ケッチャム
訳者:金子浩
出版社:扶桑社
発売日:2008年7月
カバーデザイン:バーソウ

ケッチャムの作品をカテゴライズするのは難しい感じがするのだけれど、ケッチャム作品に嫌悪感しか感じない人が一定数いることは間違いない、そんな作風。本を純粋にエンターテイメントとして捉える人にとっては、苦痛でしかないと思う。(むしろこの作品の中身に愉悦を求める人がいたら正直ちょっと怖い気もする。いや、それでも全否定はしないでおくけど)

じゃあなんで読むのかといえば、これは文学であって社会に存在するものを描き出した作品だから。その不条理を見てみたいと思うから。現代人にとって不条理と恐怖は切り離せない間柄であると思うし、自分の内面から沸き起こる恐怖の源を突き止めたい気持ちもある。ケッチャムの不条理は目を背けたくなるほど上質の不条理であり、彼が評価される理由もそこにあるのだろうと思う。

この文庫は中篇集なので、はじめてケッチャムを読む人にはオススメかもしれない。どちらにしても、誰にでもオススメできる作風ではない。

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