その本棚、蠍は留守です

最終更新日
20100610

愛しい文庫本の頁を誘われるがままに繰った記録。

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ゼロの焦点

ゼロの焦点
題名:ゼロの焦点
著者:松本清張
出版社:新潮文庫
発売日:1971年2月
カバーデザイン:装幀/多田和博、装画/西口司郎

松本清張記念館に立ち寄る機会があった。映画化されるという話を聞いたので、原作を読むため購入。

この『ゼロの焦点』を含め、松本清張作品はいくつか読んでいるはずなのだけれど、学生であった当時の理解度が足りなかったせいか、あまり強い印象が残っていない。ほぼ初読と数えてもいいのではないかと思う。

事実、松本清張が生きた時代・作品が生まれた時代の背景を捉えたうえで読むのとそうでないのとでは、作品自体が違って見える。恥ずかしながら今回の読書体験で、松本清張が社会派と言われる所以をようやく実感できた気がするし、だから再読する機会を得られたことが嬉しい。

同作を読了した後で映画も見てきたが、映画を観た際に浮かんだ疑問が文庫本のあとがきの解説で示されていることに気付いて合点がいった。映画を作る際にはそうした点が考慮されたのだろう。

松本清張の小説は主に三人称で書かれるが、その視点が多分に松本清張的であるように思う。行間いっぱいに松本清張が存在するような感覚。それが作品の緊張感であり、魅力だ。続けて他の作品が読みたい。

こんなふうに新たな発見がいくつもあるから、読書は楽しい。初読も再読もみんな楽しい。

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